金型は、全く同じ姿で均質の物を所定量を作るための道具であり、マスプロとは正反対に同じものをいくつも作るということか少なく「―品料理」としての性格が強いです。その為に金型コスト管理施策の上では、次の様な問題点が顕在化しているのが支配的です。
こうした諸問題を解決し「型コスト」を算出する手段として二つの方策があります。一つは、個々のプレス部品図について金型設計図をおこし、その型構造部品のそれぞれについて、最も合理的な工程設計から加工設備を定めて工数算定し、積み上げるというプロセスがあります。一般に、この場合のツールとして、「金型構成品見積りシステム」が活用されます。
しかし、この手法を用いると高精度の型価格算定結果が得られる反面、多くの時間がかかるのと金型加工に精通した専門者でないと見積り困難ということになってしまいます。
二つは、まず対象とするプレス加工品形状から「型パターンと標準化」をした後、それぞれのパターンごとに加工デ―夕の構築をする。これにより標準金型構造での製作を前提とした「標準金型価格」の費用分析・算定が飛躍的に容易となります。
本書では、後者についてデータベース化してあります。つまり、型設計図なしに「プレス部品図から型費か求められる」ことを主眼にしてあります。
まずは、13パターンの「金型構造の標準化」をし、それぞれいついて型費加工測定テーブルの科学的構築手法である「要素対立帰納変換法」を導入施行しまとめてあります。
この手法を要約すれば、工法別(旋削、MC、研削、放電など)の正味加工時間を一次テーブルとして作成します。次に、この一次加工時間テーブルをベースに個々の構造部品ごとに形状、寸法、精度、機能別に順次に加工費に変換します。さらに加工法(抜き、曲げ、絞りなど)別に部品の展開寸法と型大きさ(ダイプレート寸法)との因果要素解析から材料費、加工費を求めて三次帰納変換を施しテーブル化するのです。
本書は、こうして構築されたデータテーブルを活用して、プレス部品図仕様や形状を読み取り、照合コストを積み上げることにより合理的な型費が、誰にでも素早く求められるようになっています。
内容構成は、使い勝手を第一義に13の標準型パターンそれぞれについて分冊方式にしてあります。又、各型パターンとも、加工出来る部品形状を示し、型構造の選択が図面から容易に読み取れるように工夫してあります。
◇ 書籍購入前にパンフレットで内容見本をご覧下さい。◇
沖縄県宮古島市下地字与那覇出身 法政大学卒 日本電気(NEC)、日本精密機械㈱、ジエムコ日本経営・経営コンサルタントを経て,現在、工業物理学作家。
IE、VE/VD、PFM技法を駆使した製品設計時点に於けるコストのデザイン指導やIT・プロフィット・フロント・コストローディングシステム(PFM)の開発,工法・工程設計技術の指導,開発技術購買の指導, 工場管理最善化指導コンサルティングなど,徹底した三現主義を指導理念に、世界市場に於けるもの作り基準データベースを中核に工場管理会計、管理工学の実践指導グローバルエンジニア。
高度ポリテクセンター・コスト工学講師。東京都大田区田園調布在住。
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