本書は、「作る立場」での標準的コスト水準はいくらか、に始まり多くの受注品に対し売価ー利益=絶対原価を強く意識し「損しない物づくり標準原価決定の物さし」という性格から成ります。日本市場の最新技術情報や管理水準を前提条件に標準的なコスト水準で構築されております。
その内容は、物づくりプロセスに於ける単位時間当たり費用(標準時間×標準加工費率)を扱い、標準時間については、 ある作業工程について「かくあるべき」という加工条件と作業条件に対する時間とし「この設備・機械で作業するのにかけるべき時間•工数は、これでできる」とした客観的事実に裏付けられた物づくり水準であり、一方、標準加工費率は、管理会計思想に基づき最新技術水準や管理水準をベースに単位時間当たり標準設備費、労務費、管理費から成り立ちます。
「第1章」では、標準コストの理論構成や基本的な考え方や捉え方を述べた後、測定技法 としてフル活用されたJWF法の抜粋を啓蒙用に紹介してあります。
「第2章」ブレス•板金について一般に多く使われている工程、設備(機械)である単型プレス、順送プレス、ベンダ一プレスをメイン工程とし、それらの前後加工と後処理工程、表面処理などについて時間テーブルを掲載してあります。
「第3章」では、機械(切削)加工の主たる加工工程である旋削加工、フライス加工、穴明け加工、研削加工を中心にそれぞれ使用設備及び適用刃物を定めて正味の作業測定をしてあり、適用材質が鋼種材料レベルでテーブル掲載されています。
「第4章」では、樹脂成形工程の中でもっとも多い射出成形機(インジェクション及び二色成形)について、数多い変動要素の中からその影響度合を試算整理し最終的に材質と製品肉厚から時間値が読み取れる様にテーブル化されています。
「第5章」では、標準加工費率(円/分)の理論的な考え方、計算のしかたを詳細に述べた後に、客観的事実としての標準加工費率(設備費率、労務費率)を工程別、機械別に算出一覧表に掲載してあります。
「第6章」では、上記各章のデータを掛け合わせた部品コスト算定法のプロセスとシステム化されたツールからのコストシミュレーション結果の出力事例を紹介してあります。また、実際に援用できる部品コスト見積りの書式雛形も付帯してあります。
本書活用により、客観的な事実としての「標準コスト水準」と「現状コスト水準」の差額解析から目標コストの設定やコスト構成要素上の管理問題点を浮きぼりにし、その改善から大きな合理化コストダウン実現に寄与することになります。
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沖縄県宮古島市下地字与那覇出身 法政大学卒 日本電気(NEC)、日本精密機械㈱、ジエムコ日本経営・経営コンサルタントを経て,現在、工業物理学作家。
IE、VE/VD、PFM技法を駆使した製品設計時点に於けるコストのデザイン指導やIT・プロフィット・フロント・コストローディングシステム(PFM)の開発,工法・工程設計技術の指導,開発技術購買の指導, 工場管理最善化指導コンサルティングなど,徹底した三現主義を指導理念に、世界市場に於けるもの作り基準データベースを中核に工場管理会計、管理工学の実践指導グローバルエンジニア。
高度ポリテクセンター・コスト工学講師。東京都大田区田園調布在住。
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